多ければいいの？法人成りする時の資本金の決め方

資本金は会社にとっての自己資本です。

個人にとっての貯金のようなものですね。

会社にお金がなくなると金融機関からお金を借りることになりますが、融資を受ければ返済義務と利息の支払いが発生します。資本金ならこのような支払いは発生しません。会社が自由に使えるお金として用途も広く融通が利きます。

特に会社設立すぐは融資が受けにくい時期でもありますので、資本金は大切な金銭的体力なのです。

法人成り直後の資本金の使い道は初期投資と運転資金。

そこで初期投資額+運転資金3カ月分を資本金額として設定する方法です。

収入が安定するまでさらに時間がかかると予想される場合は、運転資金を6カ月分または12カ月分に設定しても構いません。

創業資金ほぼゼロで開業できます。

運転資金をほとんど必要としない業種での会社設立ならば、資本金を1円に設定することは極めて合理的です。

また個人事業主時代に取引があり信頼を確保できている場合には、資本金が1円であってもそれを理由に取引がなくなることはないでしょう。

一定以上の所得があると、個人事業主でいるよりも法人化した方が節税できるケースがあります。

資本金1円で法人成りできるならば、初期費用を含めても支出がグッと抑えられるのです。

資本金を社長が捻出すると、会社のお金は増えますがポケットマネーは減りますよね。このような事態も発生しません。

会社設立までに実績がない場合は、資本金が1円という理由で信用を得にくいケースが出てくるでしょう。

実績があったとしても、新しい取引先を開拓する際に資本金額がネックになります。創業後に増資する予定なら問題はないでしょうが、資本金1円で取引先を拡大するのは至難の技です。

求人募集をする際には会社情報を公開します。そこで資本金1円ですと、人材が集まりにくくなるのです。

資本金1円は、求職者からすると給与の不払いが発生しそうだと思われてしまうためです。

特に正社員を雇用する予定なら、資本金額が求職者にどのように映るのかを気にした方が良いでしょう。

法人名義の銀行口座が開設できない恐れも出てきます。

夫人名義の口座開設には審査があり、資本金も審査対象。資本金が1円ですと、審査に落ちてしまいかねません。

確実に口座開設したいなら、最低100万円の資本金が必要です。

一般的に、融資上限は資本金額と同額か2倍までと言われています。

ですから資本金が1円の場合は、基本的に融資が受けられないのです。

昨今では融資不要で開業できる業種も増えてきましたので、融資を必要としないならば問題はありません。

しかし自己資金だけでは開業できない場合や、今後拡大するために融資を利用する予定であるなら、資本金は1円ではなく、100万円〜300万円程度準備しておきましょう。