役員社宅を活用した節税方法

役員社宅の家賃のうち、会社負担分は全額損金に算入することができます。

例えば月10万円の会社負担が発生する場合、1年間で合計120万円の損金が積み上げられます。

損金が増えれば法人税等の引き下げとなり、節税に繋がる、という仕組みです。

役員社宅を導入すると社長の家賃負担が減りますので、その分の役員報酬を引き下げることも可能でしょう。

健康保険料や厚生年金保険料等は報酬額に連動するため、役員報酬の引き下げにより、天引きされる社会保険料や所得税・住民税等の引き下げに繋がります。社長の手元に残る手取り額を増やせるのです。

なお、社会保険料等は個人負担分だけでなく会社負担分が発生しますので、法人の社会保険料負担を減らすことにもなります。

賃貸物件の貸主（大家）に対して、貸借人を社長個人から会社名義に変更したい旨を伝えます。貸主が承諾してくれたら会社として賃貸借契約を締結し、役員社宅としてください。

なお実際の手続きにあたっては、名義変更のために法人の登記簿謄本や印鑑証明書などの書類が必要になります。

新たに物件を借りる場合は、契約を進める前に、会社名義で契約したい旨を貸主へ伝えて承諾を得ておきましょう。あらかじめ伝えておくことで、賃貸借契約をスムーズに進めることが出来ます。

上記で計算した家賃の個人負担分は、会社へ必ず支払いましょう。

仮に無償または上記「賃料相当額」よりも低額の家賃で役員社宅で生活している場合、適正な個人負担額との差額が給与として課税されますので注意してください。

税法上の豪華な住宅を役員社宅とした場合、節税対策にはなりません。

ワインセラーやプールといった設備の設置等により、床面積が240㎡を超えてしまうといったことのないよう、注意してください。

固定資産税評価額は3年に1度の頻度で評価替えが実施されます。

そのタイミングで役員社宅の賃料についても再計算を行ってください。